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【保険豆知識】図で見る「基本過失割合」

皆さま、こんにちは。

スズキ南郷通の大島です。

 

いつも弊社ブログへアクセスいただきありがとうございます。

 

さて、先日予告の通り四輪車同士の事故を中心に「基本過失割合」について図を交えてお話していこうと思います。

 

まずは・・・

《交差点における直進車同士の出会い頭事故》

①青信号で進入した車と赤信号で進入した車の事故

が青信号、が赤信号で交差点に進入した場合。

この事故の基本過失割合は・・・A0%B100%

信号機のある交差点では、当然信号に従わなくてはなりません。そのため青信号で進入したAには過失はなく、赤信号無視のBに100%の過失が生じることになります。

 

②一方が明らかに広い道路である交差点での事故

信号機がない交差点で、明らかに広い道路を走行する車と狭い道路を走行する車が同程度のスピードで交差点に進入して衝突。

基本過失割合は・・・A30%B70%

ここでいう「明らかに広い」とは、交差する一方の道幅が他方の道路よりも客観的にかなり広いと一見して見分けられるものをいいます。

狭い道路に対して広い道路を通行する車の優先度が高くなります。

しかし、交差点を通行する際の徐行や安全確認の義務(道路交通法36条2項・3項)があり、Aに30%、Bに70%の過失が生じます。

 

③同じ道幅の交差点での事故

信号機がない同じ道幅の見通しがきかない交差点において、直進車同士が衝突した場合の事故。

双方同程度のスピードで衝突した場合の基本過失割合は・・・A40%B60%

道路交通法では左側の車を優先(左方優先)とすることを定めているため、左方車(A)の過失が10%少なくなります。

 

《交差点における右折車と直進車との事故》

直進車・右折車ともに青信号で進入した交差点での事故

信号機のある交差点に、直進車(A)対向右折車(B)がお互いに青信号で進入し衝突した場合。

基本過失割合は・・・A20%B80%

「車両等が交差点で右折する場合、直進や左折をしようとする車両の進行を妨害してはならない」と道路交通法37条で定められています。そのため、右折車は直進車を通り過ぎるのを待たなければならず、右折車の優先度は低くなります。

一方で、直進車(A)にも交差点内は出来る限り安全な速度と進行する義務がありますので、このケースでは直進車から対向車(B)が見えているので、対向車が右折してくる可能性を予測して運転する必要があります。

ちなみに、「信号機によって交通整理が行われていない交差点の事故」でも基本過失割合は一緒です。

 

《駐車場内での事故》

駐車場内の通路を走行する車と駐車スペースから出る車の事故

が駐車場内の駐車スペースから出る際に、通路部分を走行すると衝突した場合。

この場合は、A30%B70%

なお、A・Bともに前進していてもバックしていても、基本過失割合は変わりません。

駐車場内で、駐車スペースから通路部分に出ることは、店舗や住宅などの道路外の私的な場所から道路に入ることと似た状況と考えられます。

道路外の場所に出入りする場合には、道路交通法では「他の車などの正常な交通を妨害する恐れがあるときは、右左折や横断などをしてはいけない」と定めています。

そのため、駐車スペースから出ようとするBに大きな注意義務があるため、Bには70%の過失が生じます。

 

《その他》

①センターラインオーバー

この場合は、A0%B100%

道路交通法では「車両は道路の中央(またはセンターライン)から左側部分を左寄りで通行しなければならない」と定められています。

そのためAには全く過失がなく、センターラインオーバーしたBに100%の過失があります。

ちなみに、道路左側の広さが十分にない場合や、道路工事を行っているなどの理由で道路の中央から右側にはみ出して通行した場合にはこの割合は適用されません。

 

②駐停車している車に追突

後方から走行してきた車Aが、道路に駐停車している車に追突した場合

A100%B0%

 

ただし、道路交通法では駐停車について以下のように定められています。

◆坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル、道路の曲がり角などは駐停車してはならない

◆車両が夜間、道路にある時は前照灯、車幅灯、尾灯、その他灯火をつけなければならない

◆車両は駐停車するときは道路の左端に沿い、かつ、他の交通の妨害にならないようにしなければならない

そのため、Bが駐停車禁止場所に駐停車していたり、ハザードランプ等をつけていなかったり、道路の左端に寄せて駐停車していなかったりした場合は、それぞれについて10~20%の過失が生じます。

 

代表例をほんの一部ご紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか?

 

交通事故の形態は千差万別のため、必ず今回ご紹介したようなパターンに当てはまるとは限りませんが、頭の片隅で覚えていただけると幸いです。